発達障害の長男は、ADHDとADS(自閉症スペクトラム障害)を併せ持つ子どもです。
小学校までは時折暴力もあり、毎日関わり方に悩みながら、成長や長男の感情に合わせた新しい言葉かけや関わり方をするように、心がけていました。
長男の小学校の頃の様子はこんな感じ…
- 人との関りがうまくできず自分のことばかり話す
- 感情のコントロールや言葉で表すのがうまくできず包丁やカッターなどを持ち出す
- 得意と不得意、興味の有無の差が大きく、勉強が少しずつ理解できなくなる
- 視覚優位なので何かに夢中になっていると(特にテレビ)返事をしない・話を聞けない
- 友達とかかわるよりも一人であそぶのが好き(人との関りをあまり求めない)
- 同級生よりも年上や大人と話が合う
関わり方で一番気を付けていたことは、二つです。
- やってほしいこと、しないでほしいことは、文句や感情の言葉を含まず伝える
どうしていつもそうなの、またできてない、やめてっていってるよね、
いい加減にして、おやつ無しね、ママ疲れたわもう…まだやってないの?
何度言ったらわかるの!
こういった言葉は言わないようにしています。
時間割してね、宿題してね、お風呂に入ってね、着替えしてね、歯磨きしようね。
時間をおきながら、”一つだけ”してほしいことをこどもがするまで伝えます。
理由:伝えたいことをたくさん言うと子どもは混乱し、何を指示されているか分からなくなります。本当に伝えたいことをブレさせないために、してほしいこと、やめてほしい事実だけを言います。
なぜしなければならないのか、ある程度の年齢になるまでは理由を伝えましょう。
行動をするまで幾度か言葉を掛けて見守るのは大人の役割です。
- 紙に書いて見せながら伝える
理由を話したいとき、新しいことを教えたいときは、紙にイラストやフローチャートを書いて説明します。これは視覚優位の発達障害児・自閉症児にも有効だと医者に教えてもらいました。けれど、壁に貼っておくと見慣れたものになってしまうので、その都度書いた方がいいでしょう。
理由:新しいことを教えるときはもちろん、長くなりそうな説明や、子どもの話しを整理するときにもメモをとるように書いて一緒に確認していました。子どもも事実の確認や相手が理解してくれていることを目で確認でき、とてもいい関りになりました。
学校の先生もわからない、発達障害や自閉症児の関わり方
子ども一人ひとりの性格が違うように、
関わり方については、子ども一人ひとりの性格や
その子や周囲が感じている「困り感」に応じて
変えていかなくてはなりません。
発達障害児はこだわりが強いから、自閉症児はコミュニケーションが苦手だからと
決めつけてしまうのは成長や可能性を阻害したり、特性を悪化させて学校が苦手になることもあります。
けれど学校の先生の中には、一生懸命すぎて子ども自身が見えなくなる方もいます。良かれと思って宿題を普通クラスの10倍以上持たされた1年もありました。
また、本などで発達障害児について勉強されている先生もいます。
先生方は一生懸命に関わってくれることがほとんどですが、クラス運営の方が忙しく個別な関わりや配慮はむずかしいものです。加配の先生も常に教室にいるわけではありません。
では、どのように先生にご理解・ご支援を頂いたらいいのでしょうか。
子どもの「取説」を繰り返しお渡しする
筆者がしたことで割と効果があったのは、
関わり方についての説明書のような
お願いの手紙です。
どうしたら長男が返事をするのか
どうしたら席に座るのか
どうしたら感情を波立たせないか
どうしたら集中していられるか
これは、長男の取扱説明書だと思っていただき、先生もぜひ関わり方を使ってみてください。きっとうまく長男が動いてくれるはずです、と書き添えました。
先生も喜んでくださったり、実践してくださるようになり、担任外の先生が廊下で声をかわるがわるかけてくださったり、落ち着かない日は職員室や保健室で給食を食べたりさせていただきました。
先生方が長男を一生懸命見てくれるようになると、同級生も心をかけてくれるようになりました。友達が一気に増え、自宅に遊びに来てくれる友達も増えました。
学校が大好きになり、勉強の成績もぐんと上がりました。
社会に出てからの発達障害や自閉症は環境が作る障害・特性では?
発達障害や自閉症は環境や周囲の関わりを調整してあげることで、少しずつ本人の問題行動が減ったり、自分を大切に思えるようになったり、自分に自信をつけられるように変わっていきます。
そこで、大切なのが「環境調整」です。
環境調整とは、発達障害や自閉症などの子どもの特性に合わせ、環境を整えたり変えたりし、子どもが困り感を感じないようにすることです。
- 一日のスケジュールを書いて先の見通しを持たせる
- 予定が変更になることもあると話しておく
- 大切な話をする時は、静かな場所に移動する
- 座席を一番前にして、余計なものが目に入らないようにする
- どうしたの?困ったことがあった?と声をかける
- 「すごいね!」「天才!」と褒めるのではなく「できたね」「できているね」と認める
など、ほかにも細かくはたくさんありますが、具体例としてはこのようなことです。
家庭でも学校でもなるべく同じ関わりをすることで、環境が整い、発達障害や自閉症の困り感や特性が目立たなくなることも多くなる子どももいます。
発達障害や自閉症の困った姿は、実はなんでも同じにさせよう、集団として子どもを育てようとする環境が要因の気がしてなりません。
関わりに困ったとき、寄りそってくれる本
1.発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ|ahizu作 講談社
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親がついつい掛けてしまう言葉がけは、発達障害の子どもに果たしてどのように通じているのでしょうか。何をどうしてほしいのか、その事実を伝えるには?そして子どもができたときの対応は? 事例を漫画で記した読みやすくわかりやすい関わり本です。
2.楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換|大場美鈴作 あさ出版
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いい加減にしなさい!⇒あとどれくらいで終われそう?など普段かけている言葉をどう言い換えたらよいのか、言ってもきかないとき次はどう声をかけるかなど子どもに対しての対応のほか、つい怒ってしまったときの保護者の心の整理のしかたまで教えてくれるいつもそばに置いておきたい本です。
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発達障害や自閉症の子どもが大人になったとき、困ることをイメージできる本。日常生活で周囲の人が当然としていることが、どうしたらできるようになるのかスマホなどを使った具体的な方法を提案してくれる本。子どもの今からでも活用できることがいっぱいですし、社会に出るお子さんにも教えてあげたいことがたくさんの本です。
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今回は発達障害や自閉症の子どもとどのような関わり方をすることが大切なのか、少しだけお知らせしました。
幼稚園や保育園、小学校など、子どもにとっての社会にでると、これまでの家庭で過ごしていた頃とは違う環境に驚き、発達障害や自閉症の特性が表立ってくるように感じます。
また、ご家庭でも社会のフォローの無さに愕然とすることがあるかもしれません。
ですが、そこで諦めずどうしたら理解をし、楽しく手伝ってもらえるかを考え、園や学校と遠慮なくたくさん話し合うように頑張りましょう。
大変ですが、子どもも子どもを取り巻く社会も変わっていくはずです。
応援しています。
明日も笑顔でいきましょう💕