発達障害や自閉症スペクトラム症の子ども・大人は、周囲のひとの理解やフォローが欠かせない障害です。
今、高校2年生の長男が4歳のとき初めて発達障害児の子育てについて教えてくれた医大のお医者さんは、『スモールステップ』と『事実の肯定』が何より大切だと教えてくれました。
『スモールステップ』とは?
目標を小さく・低く設定し、一気にゴールを目指さない発達成長を言います。
例えば、ゴールが「到着時間に遅れず出かける」だとしたら、
- 間に合う時間に起きられたらOK!
- 身支度、食事を手伝ってもらいながらもできればOK!
- 間に合う時間を意識し、時計を見たり、家を出られたらOK!
ゴール.遅れずに目的地へ到着できたらOK!!
というように、段階を踏んで最終目的をめざします。
小さな頃はなかなか一人では目標設定ができないので、周囲のフォローが必要です。
また、怒ったり叱ったり、失敗を責めるのは無意味なのでゆっくりとゴールを目指します。
そして、できたら十分にできた事実を認めます。(事実の肯定)
「すごいね!」「天才!」と褒めるのではなく、「間に合ったね。」「できたね。」と声を掛けます。これも、本人が聞いていない場合が多いので、本人が「うん。」など返事をするまで同じような声を掛け続けます。
その理由は、「できた。」「自分はこれでいいんだ。」と自覚し、自分に自信を持ったり自ら成長を感じるためです。
褒められるためにしているのではなく、自立や成長のために『スモールステップ』で目標をめざしていきます。
長男は小学生のとき、遅れずに自ら支度をして到着できるようになるまで3年かかりました。小さな小さなできたことを親子で確認しながら、ゆっくり育ちあいました。
褒められると飽きる・関心を持たれるとさらに育つ
子どもが「ねぇ、ママ、見て!」と何かを見て欲しがったとき、なんと答えているでしょう。
「おぉ!すごいね。」と言うことが多かったわたし。
けど、子どもは褒められたいというより、
- ママやパパに見てほしい
- 自分に関心を持ってほしい
- なんならそのまま一緒に遊んでほしい
- 関わってほしい
だから声を掛けてくるるのですよね。
一体何が「すごい」のか、自分でもわからず褒めては、子どもに満足してほしいという気持ちがあったと、今になっては思います。
けれど、子どもは褒められることに慣れていきます。物足りなくもなってきます。
それは、褒めてほしいわけではないからです。
ママ・パパと関わりたいのですよね……。
いつもずーっとは疲れるけれど、一日一度くらいは子どもの「見て!」に応えてあげられるといいなぁと今も思っています。
大人から子どもに関心を持つと子どもは育つ♩
わたしも気を付けなくちゃと思ったことがありますが、
スマホばかりに目を落とさず、
- 子どもに関心を持つこと。(どうやって作ったの?これは何を描いたの?)
- 子どもを新鮮な目で見てあげること。(できるようになったな…)
- 子どもをこちらから観察して声をかけること。(ピンク色が好きなんだね。)
- 成長を喜んであげること(鉛筆の持ち方上手になったね。歯ブラシ丁寧だね。)
など、よく見て「できている事実・成長したこと」を、伝わるまで言葉にしてあげるようにしましょう。
これは、発達障害児者や自閉症の子ども・大人に関わらず、健常児者も同じではないでしょうか。
人は、子どもも大人も関心を持ってほしいときがあるのです。子どもなら常にそうでしょう。そんなときに、認めてもらったり、周囲から積極的に声をかけてもらうことで、自分に自信を持ち、成長を感じ、さらには次なる目標を見つけて挑戦したり成長したりしていくものです。
長男は、小さなことでも喜べるようになりました。
卑屈になることもありましたが、今はできたことに喜び、できなかったときはその理由を考え、周囲の人の喜びも、一緒に喜んであげられるように成長しました。
自分で自分を満たせるようになると、人を認める心も育ってきます。
親も子も、急にできるようにはなりません。
ママやパパも『スモールステップ』で、子どもを認められるようになっていきます。
思わず怒鳴ってしまったり、
泣きたくなったり、
どうして……
と自分や子どもを責めてしまうこともありますね。
けど泣き笑いしながら親子で育っていくものです。
大丈夫。応援しています。
次回は「2.発達障害・自閉症とはどういう障害で、子どもへどう伝えるか」をおはなししますね。
明日も笑顔で💕