4歳は、幼稚園や保育園に通っているお子さんなら年少から年中クラスでしょうか。
社会のルール、人との関り、生活面の自立、言葉や会話の発達、知的好奇心の成長と、様々な姿に日々驚いたり、うれしくなったりしますね。
ママやパパとも難なく会話ができたり…
ちょっとしたお手伝いができたり…
下の子の面倒を見てあげたり…
できることが急に増えてくるでしょう。
5歳から6歳は、年中さんから年長さんの年齢ですね。
大人を介さなくても子ども同士であそびを広げたり、知的好奇心が高まり自分の興味のあることを追及したり調べたり練習したりする子どももいます。
また、集団生活をする上でどうすることが気持ちよいことなのか、ルールを守ったり人のことを思いやる社会性もぐーんと育ちます。
小学校入学に向けて、様々なことを体験し感じさせてあげたいですね。
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発達障害(ADHD)と自閉症スペクトラムの長男が幼稚園の年中のときは、年齢にあった絵本であれば、自分で文字を読み、意味合いも理解していました。
年中のころと言えば初めて『WISK-Ⅳ』というIQテストを受けた頃です。
全体を通したIQは130近くありますが、
『ワーキングメモリー』は65。
倍の数値の違いがあり大きな凸凹があり、
頭の中は常に忙しく混乱しているでしょうとのことでした。
『ワーキングメモリー』とは、
一時的に情報を記憶しながら処理する能力に関する指標です。ワーキングメモリは読み書き、算数といった学習能力や、集中力に大きくかかわることが指摘されています。
引用:LITALICO発達ナビ
ということなのだとか。
確かに集中力には波があり、好きなことには4時間でも5時間でも集中しますが、興味のないこと・知らないことに関しては見向きもしませんでした。
幼稚園のみんなが園庭に遊びに行ったのに、片手に帽子を持ち、園の廊下で壁の掲示物を1時間も見ていたということもあります。(先生が傍についていて下さいました。)
年中の頃くらいから、ほかの子どもとの差や周囲・本人の困り感が出てくることが多いと言われています。医科大学の発達障害外来で、限りなく黒に近いグレーゾーンと言われた4歳のころから、WISK-Ⅳを受けてはっきりとした診断が付きました。知的な遅れはないとのことでした。
コミュニケーションを取るのがとても大変で、わたしはいつも独り言を言っているようですし、園のママが長男に話しかけても無視したり(本人は関心がないための行動)するので、とっても居心地が悪かったですね……
それでも、人とかかわることは必ず後から長男の土台になると思い、親子で一生懸命通いました。
そして、自宅では絵本を読み聞かせました。なぜか絵本を読むと会話になるのです。
長男:「これなんだろうね。」
わたし:「どんぐりかな?」
次男:「まつぼっくりだよー兄ちゃんもママも知らないのー?」
長男:「まつぼっくりかぁ。幼稚園の庭に落ちてたよ。」
わたし:「今度ママも見たいナ。」
長男:「お迎えのときに探そうか」
次男も入って、とても楽しい時間です。
この頃は、細やかなイラストの絵本や、文字の多い絵本、児童書なども読み聞かせ、長男も楽しんでいました。
コミュニケーションや言葉に不安や心配のあるママやパパは、絵本を通して会話をしてみるといいかもしれません。意外と知らなかった子どもの知っていることや、好奇心を知れるかもしれません。
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今日は年中から小学校入学前までに楽しめる絵本をご紹介します。
1.14ひきのあきまつり|いわむら かずお 作 童心社
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「14ひき」のねずみの家族がおりなす、季節に応じた暮らしを細やかなイラストと、美しく大切にしたい子どもらしい日本語で書かれた絵本です。ページのすみずみまでびっしり絵が描かれているので、親子でゆっくりと読むのにおすすめです。
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なほちゃんは小さいけれど勇気のある女の子。小学生と一緒にキャンプに行くと決めました。ママもパパも一緒ではありません。大人が1人引率につくだけ。キャンプといっても野原でするキャンプなので真っ暗。夜も1人でおトイレに行かなくてはいけません。「小さい子はすぐ泣くからダメ!」とお兄ちゃん・お姉ちゃんたちにいわれていたなほちゃんは、キャンプ中どうなるでしょうか。少し文字が多くイラストも少な目ですが、年中から十分に楽しめる、わくわく・ほっこりする絵本です。
3.さっちゃんのまほうのて|先天性四肢障害児父母の会他 偕成社
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生まれつき手首から先がないさっちゃん。気にすることなく元気いっぱい器用に保育園生活を過ごしています。ところがある日、ままごとのお母さん役を決めるとき、手がないという事実を友達からさみしい形で言われてしまい、深く落ち込みます。さっちゃんは自分を受け入れることができるでしょうか。そしてさっちゃんのお母さんは?年中さんから年長さんに、人との違いや障害について年齢なりに考えさせてくれる胸を打つ絵本です。
4.じごくのそうべい|田島征彦 童心社
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上方落語を絵本にした作品です。軽業師(かるわざし・曲芸などをして見せる人)のそうべいは、綱渡りの途中に落下し目が覚めたら地獄にいました。けれど地獄の恐ろしいお話ではありません。さすが軽業師のそうべい!地獄でも楽しんで鬼と閻魔様をうならせます。楽しい関西弁の文章と、子どもを惹きつける魅力的なイラストで大人気の絵本です。
5.おしゃべりなたまごやき|寺村輝夫作 和歌山静子絵 理論社
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「ぼくは王さま」シリーズの1冊。児童書になるので絵を見ながら聞く絵本ではなく、お話を一緒に読んだり、読み聞かせてあげて、頭の中でイメージを持ちながら聞くという本です。なかなか長いので、一晩に5ページから10ページ読んだら続きは明日…と楽しみに読んでいました。かわいらしくてドジでくいしんぼうな王さまは、卵が大好き!
おしゃべりな卵焼きって一体なんなのでしょう?慌てる王さまに子どもも大喜びです。
子どもの心をくすぐる、そして大人が伝えたい様々な心の持ち方や人との関りなどを絵本を通して伝えてくれる作品をご紹介しました。
大人が読んでも楽しく、心が震え、涙してしまう絵本もあります。
子どもの心の成長が大きくなる4歳から6歳は、様々な分野の絵本を読んであげたいですね。絵本を通して疑似体験ができるはず。
絵本の読み聞かせは、忙しく大変な毎日にママやパパへのご褒美の時間でもあります。子どもが愛おしいときっと絵本を読みながら思えるはず☆
次回は発達障害の子どもとの関りで悩んだときに、保護者が読みたい本をご紹介します。
明日も笑顔で元気でいられますように。